堀江貴文
落ちた偶像として有名な堀江貴文……最初はとても狡猾で打算的な人だなという印象を受けた。今でもその印象は変わらない。ただ一つ、変わったことと言えば、肩書きだけだろうか。あまりにも傲慢で貪欲な狩人のような眼をした彼に好感を抱いたことはない。ただ最初は嫌悪も無かった。
境界性人格障害や自己愛性人格障害がたどる-成功した例ではあるが-ああいったカリスマ的な像。そうして結局は自滅を呼び込んでいく。彼が逮捕される頃になると、頻繁に誇大妄想的な発言を述べている。そういった傾向はかなり初期からあったようだが、もうブレーキもなく、止めてくれる人もいない立場、完全に陶酔してしまった彼は言った。
『神ですよ』……私は底知れぬ恐怖と危惧を感じてしまったのだ。そこで経歴を調べてみた。彼は東京大学の哲学科で宗教学を学んで中退した人だった。宗教学……やはり……と思った。彼のただでさえ、宗教的になりうる可能性を秘めている人格上、大学で宗教を学んだことは大きい。ようするに拍車がかかったわけだろうか。
教祖と信者、上と下。彼は教祖、上を熱望していたように思う。もちろん名声や名誉、そして注目をあびたいとゆう煮えくるような願望。舞って散って何がのこるのだろう。それは金だ。それは彼にとって唯一の安心でさえあるだろう。
彼は檻の中でも笑っているような気がする。後悔もしているような気がする。それは騙した相手に対する申し訳なさではなく、自分の策の欠点を見つけられなかったことに。ようするにこう思うだろう。ばれなかったらよかったのに、今回の経験がやくに立つな、次は完璧にいけそうだ……
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